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​ビジネスマンに必須な法律知識

業務を実施していくうえで参考となる情報を本ページにて掲載いたしております。

業務遂行上問題が生じた時、ちょっとわからないことが出てきたときこちらのページを参考にしていただければ幸いです。

営業担当者や店舗運営者等も知っておくべき実務的な内容も掲載させていただいております。

記載内容に不明点がございましたらお気軽にお問合せください。

保険のコンサルティング

​契約書に関する基礎知識⑤ ~法人との契約における注意点~

​⑤法人との契約時の注意点

◆法人における契約締結者とは

 契約書の当事者の記名押印又は署名押印は、法人の場合、原則代表者が行うことになります。正式には「代表取締役」が法人における契約締結権限を有していることになります。(合同会社では代表社員を定めている場合は代表社員)

 ただ、大企業では代表取締役の方の印鑑をいただくことはなかなか時間がかかる場合が多く、代表取締役以外の方の名義で契約締結を求められる場合がよくあります。この場合、どうなるでしょうか。

契約署名

①副社長・専務・常務など

 会社法354条(表見代表取締役)では以下のとおり定められております。

 「株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う」

 本規定により、副社長や専務等が行った行為は、代表権がないことを知らなった善意の第三者に対しては代表権があったものとして取り扱われることになると考えます。

②支社長・支店長・営業所長・工場長など

 会社法13条(表見支配人)では以下のとおり定められております。

 「会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判倍の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りではない」

 本規定により、支社長、支店長や営業所長などは、表見支配人とされる可能性が高く、その支社・支店・営業所・工場の事業に関する契約を締結した場合名で契約を締結した場合、原則的には会社間の取引として有効なものということができます。(ただし、契約権限を有していないことを相手方が知って契約をした場合は無効となります)

 

③室長・部長・担当課長

 会社法14条(ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人)では以下のとおり定められております。

 「事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する」

 本規定により、これらの室・部・担当業務の範囲内に属する契約と認められる場合は、代理権を有していると考えられます。

④係長

 係長は会社法14条に定める「使用人」にあたるのか裁判で争われた事例があります。(最判平成2年2月22日)

 判例上は、係長の契約行為が、客観的にみて特定の事項の委任を受けたとみられるときは、有効な契約となる旨判示しております。

理屈上は以上ですが、重要な取引を行う場合、代表取締役の方から当該契約締結者への契約締結権限を委譲する旨の「委任状」を提出いただく方法が確実な方法になりますので委任状提出を一度お願いしてみることをオススメいたします。

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